
法令で定める飲食店の施設基準は、具体的にはどのようなものですか

飲食店の施設基準については、法律・政令で基礎付け、省令でガイドラインを示して、条例で規定する形になっています。
食品衛生法第54条では、「都道府県は(中略)政令で定めるものの施設につき、厚生労働省令で定める基準を参酌して、条例で、公衆衛生の見地から必要な基準を定めなければならない」としおり、政令である食品衛生法施行令第35条では、「都道府県が施設についての基準を定めるべき」ものとして「飲食店営業」があげられています。
都道府県が参酌すべきとされる省令は、食品衛生法施行規則のことで、その別表第19、第20で施設基準を示しています。奈良県では、これを参酌した奈良県食品衛生法施行条例を定め、その別表1と別表2などで飲食店の設置基準を設けており、冷蔵、手洗い、換気設備から内壁の材料まで、幅広く定められています。

以下、具体的にみていきます。
施設の構造
- 適切な広さを有し、住居その他食品等を取り扱うことを目的としない場所と区画されていること。
- 天井は清掃等が容易な構造・材料で作られていること。
- 床面は不浸透性の材質で作られ、排水が良好で清掃が容易であること。
- 内壁は、床面から容易に汚染される高さまで不浸透性材料で腰張りされており、清掃が容易であること。
照明・換気施設
- 必要な照度を確保できる照明設備を有すること。
- 食品等を取り扱う場所には、換気が適切にできる構造又は設備を有すること。
給水設備
- 水道水又は飲用に適する水を十分な量を供給することができる給水設備を有すること。
- 水道水以外の水を使用する場合は消毒装置と浄水装置を備え、水源は外部汚染されない構造を有すること。
- 貯水槽を使用する場合は、食品衛生上支障のない構造であること。
- 食品等を洗浄するため、熱湯、蒸気等を供給できる使用目的に応じた洗浄設備を有すること。
手洗い設備・便所・更衣場所
- 従業者の手指を洗浄消毒する装置を備えた流水式手洗い設備を必要な個数有すること。
- 流水式手洗い設備の水栓は洗浄後の手指の再汚染が防止できる構造であること。
- 便所は作業場に汚染の影響を及ぼさない構造であること。
- 便所専用の流水式手洗い設備を有すること。
- 更衣場所は、従事者の数に応じた十分な広さがあり、及び作業場への出入りが容易な位置に有すること。
保管設備
- 原材料を種類及び特性に応じた適正温度かつ汚染の防止可能な状態で保管できる設備を有すること。
- 食品又は添加物を衛生的に取り扱うために必要な機能を有する冷蔵又は冷凍設備を必要に応じて有すること。
- 冷蔵、冷凍、殺菌、加熱等の設備には、温度計及び必要に応じて圧力計、流量計その他の計量器を備えること。
- 食品又は添加物を運搬する場合は、汚染を防止できる専用の容器を使用すること
清掃
- 施設で使用する洗浄剤、殺菌剤等の薬剤は、食品等と区分して保管する設備を有すること。
- 作業場を清掃するための専用の清掃用具を必要数備えること。
- 清掃用具の保管場所及び作業内容を掲示するための設備を有すること。
その他
- じん埃、廃水及び廃棄物による汚染を防止できる構造又は設備を有すること。
- 十分な排水機能を有する排水設備が設置されていること。
- ねずみ及び昆虫の侵入を防止できる設備を有すること。
- 廃棄物を入れる容器又は廃棄物を保管する設備については、不浸透性及び十分な容量を備えており、清掃がしやすく、汚液及び汚臭が漏れない構造であること。
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